こんにちは!アスマリのいおりです。
本記事では、結婚相談所の婚活カウンセラーである筆者が、「自分がADHDの場合の婚活」と「婚活相手がADHDの場合」の両方について詳しく解説します。
婚活をしている方から、「ADHDと診断されていますが、相手にはいつ伝えればいいですか?」「プロフィールに書いた方がいいですか?」という相談をいただくことがあります。
反対に、「仮交際中の相手からADHDだと言われました。結婚生活は大丈夫でしょうか?」という相談もあります。
最初にお伝えすると、ADHDだから結婚できないという話ではありません。
一方で、「好きなら何も気にしなくていい」と簡単に済ませられるものでもないと思っています。
結婚は生活です。時間を守る、お金を管理する、家事をする、予定を共有する、物を管理する、相手と話し合う。ADHDの特性によっては、こうした日常生活に影響が出ることがあります。
ただし、重要なのは「ADHD」という診断名だけでその人を判断しないことです。
同じADHDでも困っていることや程度はかなり違いますし、自分の苦手を理解して対策しながら問題なく仕事や生活をしている人もいます。
婚活で見るべきなのは、「ADHDだから大丈夫・ダメ」ではありません。
この人の場合、実際にどんな特徴があるのか。
その特徴に本人がどう向き合っているのか。
そして二人で生活したときに、問題が起きても一緒に調整していけるのか。
ここだと思います。

そもそもADHDとは?
まず、「ADHD」という言葉だけが一人歩きしないように、基本的な部分から確認しておきます。
ADHDは不注意・多動性・衝動性などを特徴とする神経発達症
ADHDは「注意欠如・多動症」と呼ばれ、不注意、多動性、衝動性を主な特徴とする神経発達症の一つです。
子どもの頃からみられる特徴ですが、大人になっても続くことがあり、成人になってから診断される方もいます。
国立精神・神経医療研究センターも、成人期ADHDについて不注意、多動性、衝動性を主要な特徴と説明しています。
大人の場合、「じっとしていられない」という分かりやすい多動性だけではありません。
予定や物の管理が苦手、忘れやすい、注意がそれやすい、作業を最後まで進めにくい、思ったことを先に話してしまうなど、仕事や日常生活の中で困りごととして現れることがあります。
ただ、ここで絶対に勘違いしてほしくないのが、これらが一つ当てはまったからADHDというわけではないことです。
「遅刻が多いからADHDだと思う」「片付けが苦手だからADHDかもしれない」と、婚活相手を勝手に診断するのはやめた方がいいです。
ADHDの診断は、症状だけでなく過去からの経過や生活への影響なども含めて専門家が評価するものです。
睡眠の問題、不安やうつなど、似た症状につながる別の要因もあるため、自己判断だけでは分かりません。
ADHDは人によって出方がかなり違う

婚活では、ここが一番重要かもしれません。
同じADHDでも全員が同じ生活になるわけではありません。
例えば、仕事ではしっかり予定管理ができるけれど、自宅の片付けだけがかなり苦手な人もいます。
忘れ物は多いけれど、時間にはほとんど遅れない人もいるでしょう。
逆にADHDと診断されていなくても、毎回遅刻する人、部屋が散らかっている人、お金の管理が苦手な人もいます。
だから婚活で、「ADHDの人と結婚したら大変ですか?」と聞かれても、診断名だけでは答えられません。
目の前の相手が実際にどう生活しているのかを見る必要があります。
ADHDの婚活で大切なのは「診断名より実際の生活」
私は婚活では、診断名そのものより「それによって結婚生活に何が起こるのか」を見た方がいいと思っています。
同じADHDでも結婚生活への影響は違う
例えばAさんは、ADHDの診断があります。
予定を忘れやすい自覚があるので、予定が決まった瞬間にスマホへ登録し、前日と当日に通知を設定しています。
支払いも自動引き落としにしていて、仕事も安定しています。
BさんにはADHDの診断はありません。
でも毎回30分遅刻し、支払いもよく忘れる。
それを指摘すると、「自分はこういう性格だから」と言って何も変えようとしません。
結婚相手として安心できるかどうかを、ADHDの有無だけで決められるでしょうか。
私は難しいと思います。
見るべきなのは、自分の苦手を理解しているか。
必要な対策をしているか。
失敗したときに相手のせいにせず、次を考えられるか。
結婚ではこちらの方が重要です。
「自分の取扱説明書」を持っている人は強い

ADHDに限った話ではありませんが、自分自身の取扱説明書を理解している人は婚活でも強いです。
「私は予定を忘れやすいので、予定が決まったらその場で登録しています」「LINEを仕事中に見ると返信を忘れることがあるので、後で返すものはリマインダーを使っています」「片付けは苦手なので、物を増やさないようにしています」
ここまで自分を理解できていれば、相手もどう付き合えばいいか分かります。
一番困るのは、本人にも何が起きているのか分からず、同じ問題が何度も起きることです。
婚活では「苦手があるか」だけでなく、「自分の苦手を自分で把握しているか」も見てほしいです。
自分がADHDの場合、婚活ではどうする?
ここからは、自分自身がADHDと診断されている方の婚活について考えていきます。
ADHDはプロフィールに書いた方がいい?
私は、一律に「必ずプロフィールに書くべき」とは思っていません。
もちろん所属している結婚相談所の規約や申告ルールがある場合は、それに従う必要があります。
そのうえで一般的な婚活の考え方として、プロフィールに診断名だけを書くことが必ずしも一番良い伝え方とは限りません。
例えばADHDがあっても、仕事も生活も安定していて、結婚生活への影響が比較的小さい人もいます。
プロフィールに「ADHDです」とだけ書かれていても、相手には程度が分かりません。
「仕事はできるのかな?」「普通に生活できるのかな?」と、実際以上に大きく想像されてしまうこともあります。
一方で、生活や結婚にかなり大きく影響することが分かっているのに、何も伝えないまま成婚直前まで進むのも違います。
大切なのは、プロフィールに書くかどうかだけではありません。
相手の結婚生活にも関係することなら、必要なタイミングできちんと伝えることです。
ADHDを伝えるタイミングは「何回目」では決めない
「3回目のデートで言った方がいいですか?」と聞かれることがあります。
私は回数だけでは決めなくていいと思っています。
まだお見合いで1時間話しただけの人に、自分の診断歴や生活上の困りごとをすべて説明する必要はないでしょう。
ただ、お互いかなり気持ちが高まり、「そろそろ真剣交際へ」という段階になってから初めて、結婚生活に大きく影響する話をすると、相手からすると「もう少し早く聞きたかった」となる可能性があります。
一つの考え方としては、ある程度関係ができて、お互いに結婚相手として前向きに考え始めた段階で、真剣交際を決める前までには話しておく。
このくらいが自然だと思います。
ただし、生活への影響がかなり大きい場合は、もう少し早く伝えた方がいいこともあります。
何回目かではなく、「この情報が二人の結婚生活にどれくらい影響するか」で考えてください。
「ADHDです」で終わらせない

伝えるときに一番重要なのがここです。
「実はADHDなんです」だけで終わると、相手は困ります。
知りたいのは、「それで結婚生活はどうなるの?」だからです。
例えば、「予定を忘れやすいところがあります。でも今はスマホに全部登録しているので、仕事や約束で大きく困ることはほとんどありません」と伝える。
あるいは、「片付けは少し苦手です。物の場所を決めておけば大丈夫ですが、物が増えると散らかりやすいです」と伝える。
この方が圧倒的に分かりやすいです。
診断名だけではなく、自分の場合の特徴、生活への影響、現在やっている対策までセットで話してください。
相手が知りたいのは「一般的なADHD」ではなく、「あなた」です。
ADHDを何でも許される理由にしない
ここは少し厳しく言います。
ADHDには本人の努力だけでは簡単に変えられない部分もあります。
だから「気をつければできるでしょ」「努力不足です」で全部片付けるのは違います。
一方で、「ADHDだから遅刻しても仕方ない」「ADHDだから忘れるのであなたが管理して」「ADHDだから片付けは全部お願いします」になってしまうのも違います。
結婚すれば相手にも影響が出ます。
苦手があるなら、できる範囲で対策する。
生活への支障が大きければ専門家へ相談する。
必要なら相手にも協力してもらう。
このバランスです。
ADHDであることより、何か起きたときに「じゃあ次はどうしよう?」と考えられる人であることの方が、結婚生活ではずっと重要です。
ADHDの特性が婚活で出やすい場面
ADHDの特徴によっては、婚活中のちょっとした行動が相手から誤解されることがあります。
遅刻や予定忘れは「好意がない」と受け取られやすい

例えばデートに遅刻する。
本人としては、時間管理がうまくできなかっただけかもしれません。
でも相手は、「自分との約束を大切にされていない」と受け取る可能性があります。
特にお見合いや仮交際初期は、相手はまだあなたのことをよく知りません。
時間管理が苦手だと自覚しているのであれば、「気をつける」だけではなく仕組みにしてください。
予定が決まったらその場で登録する。出発時間までカレンダーに入れる。通知を複数設定する。自分の中では待ち合わせを15分早く設定する。
苦手なことほど、気合いではなく仕組みで補った方がいいです。
LINEの返信忘れも誤解されやすい
LINEを読む。
頭の中で返信する内容まで考える。
別の作業を始める。
そのまま返信したつもりになる。
こういうことが起きる方もいます。
でも相手には、「返信を忘れている」のか「返したくない」のか分かりません。
数日放置されれば、「自分には興味がないんだろうな」と判断されても不思議ではありません。
自覚があるなら、「仕事中に読むと返信忘れることあるので、ごめんなさい」と一度伝えておくのもいいです。
ただ、毎回相手に再送してもらえばいいということではありません。
後で返信するものを未読に戻す、通知を使うなど、自分側でも工夫しましょう。
会話が一方通行になっていないか確認する
ADHDでは衝動性などにより、相手が話し終わる前に話し始めたり、会話の中で自分の考えが次々に出てくることがあります。
婚活ではこれが、「自分の話ばかりする」「話題が飛ぶ」「こちらの話を聞いてくれない」と受け取られることがあります。
本人はむしろ楽しくて、たくさん話しているだけかもしれません。
だからお見合いやデートの後に、「自分は楽しかったか」だけではなく、「相手もちゃんと話せていたか」を振り返ってください。
話したいことを全部我慢する必要はありません。
ただ、相手の話を最後まで聞く。質問を返す。話題が変わったら元の話に戻る。
少し意識するだけでも印象は変わります。
婚活相手から「ADHDです」と言われたらどう考える?
ここからは逆に、仮交際・真剣交際の相手からADHDだと伝えられた場合です。
まずネット上の「ADHDあるある」を全部当てはめない
相手からADHDだと言われると、不安になって検索する方もいると思います。
すると「片付けられない」「忘れ物が多い」「衝動的」など、いろいろ出てきます。
でも、その情報を全部目の前の相手に当てはめないことです。
ADHDは人によって特徴の出方や生活への影響が違います。
大人では仕事や家庭、人間関係に影響する場合がありますが、どの程度の支障があるかは個人差があります。
見るべきなのは目の前の人です。
仕事は安定しているのか。時間管理は実際どうなのか。生活はどうしているのか。困りごとを本人は理解しているのか。
これを普通に知っていけばいいです。
「ADHDだから」より「その後どうする人か」を見る
例えば、相手が30分遅刻してきたとします。
一度遅刻した。
これだけでは何とも言えません。
見るべきなのはその後です。
「ADHDだから仕方ないじゃん」で終わるのか。
「ごめん。次から出発時間もアラーム設定する」となるのか。
全然違います。
結婚相手を見るとき、「問題が起きるかどうか」だけを見ても仕方ありません。
どんな夫婦でも何かは起こります。
問題が起きたときに、その人がどう向き合うのか。
私はここをかなり見た方がいいと思っています。
相手がADHDの場合、結婚前に確認したいこと
相手のことが好きで、結婚を考えているのであれば、ADHDという診断名について延々話すより、実際の結婚生活について確認しましょう。
お金の管理は実際どうしている?
結婚すると家計があります。
生活費、家賃、クレジットカード、貯金、保険、住宅、将来的には教育費なども出てきます。
そこで、「ADHDだから金銭管理ができない」と決めつける必要はありません。
実際の相手を確認します。
毎月貯金できているのか。支払い遅延はないか。衝動的な買い物で困っていないか。家計をどう管理しているのか。
苦手なら自動積立や家計アプリなどを使っているのか。
ここを確認すればいいです。
ADHDかどうかに関係なく、結婚前にお金の話はした方がいいです。
家事・片付けはどのようにする?
片付けが苦手な人と、かなり綺麗好きな人が結婚すれば揉めやすいです。
これはADHDに限りません。
ただ、相手自身が整理整頓をかなり苦手としているなら、実際にどう生活するのかは話しておいた方がいいでしょう。
収納場所を固定する。物を増やしすぎない。家事分担を明確にする。便利家電を使う。必要なら外部サービスも使う。
方法はいろいろあります。
重要なのは、「苦手だから全部相手にやってもらう」にならないことです。
パートナーが「親役」にならないか
個人的にはここをかなり気にします。
「明日の予定覚えてる?」
「支払いした?」
「財布持った?」
「予約した?」
「片付けてね」
と、片方がもう片方をずっと管理する。
最初は「私が得意だからやってあげよう」で済むかもしれません。
でも結婚生活は何年、何十年です。
気がついたら夫婦というより「親と子」のような関係になってしまうと、かなり苦しくなります。
苦手なところを夫婦で補うことは普通です。
ただ、一人が全部を管理する前提にはしない方がいいです。
相手が苦手なことは少し助ける。その代わり、自分が苦手なことは相手に助けてもらう。
お互いに得意なことを担当する。
これなら夫婦です。
「ADHDだから別れる」も「ADHDだから我慢する」も違う
婚活では両極端にならないことが大切です。
相手からADHDだと聞いた瞬間に、「じゃあ結婚は無理」と終了する。
これは診断名だけを見ています。
反対に、相手がADHDだから、「何でも理解してあげなければ」と我慢し続ける必要もありません。
毎回約束を破る。
お金の問題を繰り返す。
こちらが困っていると伝えても改善策を考えない。
何でも「ADHDだから」で終わらせる。
これが実際に続いて、自分が結婚生活を想像できないのであれば、「自分とは合わない」と判断することもあります。
それはADHDを理由に断ることとは少し違います。
二人の生活相性を見て判断しています。
逆に、ADHDの診断はあるけれど、仕事も安定している。自分の特性も理解している。対策もしている。何か起きれば話し合える。一緒にいると楽しい。
それなら「ADHD」という文字だけで終了するのは早いかもしれません。
婚活では、「診断名をどう評価するか」より、「この人との生活を自分はどう感じるか」で考えてください。
ADHDの婚活Q&A
Q1. ADHDは婚活プロフィールに書いた方がいいですか?
一律に必須とは言えません。
所属する相談所の申告ルールを確認したうえで、生活や結婚への影響がどの程度あるかで考えるのがいいと思います。
ただし、結婚後にも大きく影響することを、真剣交際や成婚直前まで意図的に隠し続けるのはおすすめしません。
Q2. ADHDは仮交際の何回目で伝えるべきですか?
回数だけで決める必要はありません。
お互いが結婚相手として前向きに考え始め、真剣交際を具体的に検討する前までには、自分の場合の特徴や生活への影響、対策まで含めて伝えておくのが一つの考え方です。
Q3. 相手からADHDだと言われました。結婚は難しいですか?
診断名だけでは判断できません。
同じADHDでも特徴や生活への影響は人によって異なります。
仕事、時間管理、金銭管理、家事、自己理解、対策、話し合いができるかなど、実際の相手を見て判断してください。
Q4. ADHDの相手の遅刻や忘れ物は全部受け入れるべきですか?
全部を我慢する必要はありません。
本人にとって難しいことがあると理解することと、相手が困る行動を何も改善しなくていいことは別です。
二人で生活できる方法を考えられるかが重要です。
Q5. 「自分もADHDかもしれない」と思ったらどうすればいいですか?
忘れ物、片付けの苦手さ、集中しにくさなど一部の特徴だけでADHDとは判断できません。
気になる場合は自己診断だけで決めず、医療機関など専門家へ相談してください。
ADHDの診断では症状の経過や生活への影響などを含めて評価します。
まとめ|ADHDという名前より「二人で生活を作れるか」を見る

ADHDの婚活では、必要以上に悲観する必要はありません。
ただし、「ADHDでも何の問題もありません」と綺麗にまとめるのも違うと思っています。
結婚は生活だからです。
時間管理、家事、お金、予定、コミュニケーションなどに実際に影響があるなら、二人で考える必要があります。
自分がADHDの場合は、「ADHDです」と伝えて終わりではなく、自分自身の取扱説明書を伝えてください。
自分は何が苦手なのか。どの程度生活に影響するのか。どういう対策をしているのか。相手にどうしてもらえると助かるのか。
ここまで話せれば、相手もかなり判断しやすくなります。
相手がADHDの場合も同じです。
ネットで読んだ「ADHDの人はこういう人」という情報だけで判断しない。
実際の相手を見る。
仕事はどうなのか。時間やお金をどう管理しているのか。自分の特性を理解しているのか。問題が起きたときに、改善しようとする人なのか。
ここを見る。
そして一番大切なのは、ADHDの有無に関係なく、「問題が起きたときに二人で解決できるか」だと思います。
どんな人と結婚しても、何の問題も起きないことはありません。
仕事が忙しくなることもあります。お金で意見が違うこともあります。家事や子育てで揉めることもあります。
そんなときに、「じゃあどうしよう?」と二人で考えられる。
相手だけに背負わせない。
自分だけが我慢しない。
この関係が作れるなら、結婚生活はかなり違います。
ADHDだから結婚できる、できないではありません。
ただ、診断名だけを見て楽観も悲観もしない。
目の前の相手との実際の生活を考える。
そのうえで、「この人となら二人で生活を作っていけそう」と思えるか。
ADHDの婚活で最終的に見るべきなのは、そこだと思います。
